「痛くないストレッチ」では、あまり変わりません|我慢とは違う、効く強さの話
はじめまして。
「好きなことを続ける身体ラボ」を運営しているゆかりです。
登山やバレーボールなど、好きなことを長く楽しむためには、
身体のメンテナンスが欠かせません。
このブログでは、ストレッチトレーナーとしての知識と、私自身の体験をもとに、
動きやすい身体づくりのヒントを発信しています。
パーソナルストレッチは、痛いのでしょうか?
ストレッチ専門店が気になってはいるけれど、まだ行っていない。
そういう方は、意外に多いのではないでしょうか。
理由のひとつは、痛みだと思います。
痛くてつらかったという話を目にして、不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
セルフストレッチと違って、パーソナルストレッチは他人に伸ばされます。
自分で止められないので、どのくらいの強さで伸ばされるのかが見えません。
そこが不安なのだと思います。
先にお伝えしておくと、強さは決まっていません。
その方の身体の状態と、何を目指していらっしゃるかに合わせて変えています。
ですので「パーソナルストレッチは痛い」と、一言で言えるものではありません。
この記事では、その強さをどうやって決めているのかをお伝えします。
こんなお悩みありませんか?
痛いのが苦手で、予約をためらっている
我慢しないと効果がないのではと思っている
身体が硬いので、人より痛いのではと不安
翌日に痛みが残らないか心配
1つでも当てはまる方は、最後まで読んでみてください。
先にお答えします。
パーソナルストレッチは、多少の痛みを伴います
パーソナルストレッチは、硬くなった筋肉を伸ばしていくものです。
ですので、伸ばされれば多少の痛みはあります。
ここを「痛くありません」とお伝えするのは、正直ではないと思っています。
ただ、「痛い」と一言で言っても、中身はいろいろです。
痛い場所と、痛くない場所があります。
同じ方の身体でも、場所によってまったく違います。
そして痛みの強さは、お客様が我慢できる限界から決めているわけではありません。
ここから先は、その理由の話です。
そもそも、ストレッチで痛みを感じるのはなぜか
硬い場所ほど、痛みを感じやすい
痛みが出るのは、たいてい普段使っていない場所や伸ばしていない場所です。
筋肉は、使われないとそのまま固まっていきます。
伸ばされた経験が少ない場所は、伸ばされたときの刺激に慣れていません。
ですので痛みは、普段あまり動かせていない場所を教えてくれるサインでもあります。
どこが痛かったかを覚えておいていただくと、
普段どこを動かせていないのかがわかります。
閾値(いきち)は、少しずつ更新される
閾値(いきち/ここから先は痛いと感じる境目)というものがあります。
多少の痛みを感じる範囲まで伸ばしていくと、
この境目が少しずつ後ろにずれていきます。
前は痛かった角度が、痛くなくなるということです。
そうすると柔軟性が上がって、可動域も広がっていきます。
逆に言うと、痛みをまったく感じない強さで伸ばしているあいだは、
この境目はあまり動きません。
つまり「痛くないストレッチ」は、心地よさはあっても、
柔らかくしたいという目的には届きにくいということです。
筋肉にストレスがかからないと、閾値は動きません
逆に言えば、柔軟性を上げたいなら、筋肉に多少のストレスをかける必要があります。
少し痛いくらいの強さは、可動域を広げるためには必要なものです。
ここは避けて通れません。
身体に力が入ると、効果は半減します
強さに上限があるとすれば、それは「我慢できない痛み」です。
ここで言う「力み」は、ストレッチ中に受け手の身体に力が入ってしまうことを指します。
筋肉にかかるストレスの話とは、別のものです。
我慢できない痛みになると、身体には力が入ります。
力が入っていると、トレーナーが伸ばしても、その分が打ち消されてしまいます。
筋肉を伸ばそうとしても、伸びなくなってしまいます。
反対に、力みが出ない範囲であれば、多少の痛みを我慢できる強さの方が、
終わったあとのスッキリ感も出ますし、柔軟性UPも期待できます。
受け手が力を抜いた状態で、少し痛いくらいの強度で伸ばす。
これがストレッチの効果を発揮するのに重要なポイントです。
では、強さをどう決めているのか
痛みに耐えられるかどうかをお客様に判断していただくのではなく、
力が抜けているかどうかを、トレーナーが見ています。
私が見ている、力みのサイン
伸ばしている最中に、こちらの手や目に伝わってくるものがあります。
押し返してくる感じがある
筋肉がビクッとする など
反応の出方は人によって変わりますが、だいたいこのあたりです。
これが出たときは、力が抜けていないということです。
そのまま続けても効果が落ちるので、アプローチを少し変えます。

力みのサインが出たら、その場でこうします
力んでいる時点で効果は出にくいので、一度リセットします。
まず、少し力を緩めます。
そのうえで呼吸を促しながら、力まない状態で次のセットに切り替えます。
息の使い方については、後半で詳しくお伝えします。
強さは、同じ日のセットごとに上げていきます
ここは「私の場合は」という前置きをさせてください。
同じ資格を持っている方でも、最初からしっかり伸ばす方はいらっしゃいます。
やり方の違いなので、どちらが正しいという話ではありません。
私は1回の施術の中で、同じ場所を何セットか行います。
そしてセットごとに、少しずつ強さを上げていきます。
最初から強く伸ばすことはしません。
1セット目は、その方の今の状態を見るためのセットだと思っています。
そして、ほとんどの方が、1セット目より2セット目、
2セット目より3セット目の方が柔らかくなります。
同じ強さで伸ばしていても、感じ方が変わってきます。
動く範囲(可動域)も変わります。
閾値が更新されるのは、何ヶ月も先の話ではありません。
その日のうちにも起きています。
ただ、その日の変化がそのまま残るわけではありません。
身体に覚えさせるには、やはり継続して受けていただく方が、効果は出ます。
私が基準にしているのは、1セット目での可動域です。
2セット目、3セット目でそこが変わっていけば、身体はゆるんできています。
そして、ちょうどいい強さは人によっても、部位によっても違います。
同じ方でも、部位のポテンシャルに合わせて強度も変えます。
その辺の強度は、受け手のお客様とお話ししながら調整していきます。
痛みの強さは、目的によって変わります
もうひとつ、強さを決めるときに必ずお聞きすることがあります。
「ストレッチを受けることで、どうなりたいか?」
疲れをゆるめたい、肩や腰の重さをとりたいのか。
それとも、身体を柔らかくして動く範囲を広げたいのか。
これによって、ちょうどいい強さは変わります。
疲れをゆるめたい、リラックスしたいという方には、
弱めの強さでも十分なことがあります。
一方で、可動域を広げたいという方には、多少痛くても我慢していただいた方が、
目的には近づきます。
ですので、どうなりたいかをお聞きしてから強さを決めています。
「もっと強くしてほしい」と言われたときは
ご本人のご希望ですので、大丈夫そうであれば強度を上げます。
ただし、基礎疾患をお持ちの場合は、その限りではありません。
部位によっては、強度を上げることがそのままリスクになることもあります。
ここはケースバイケースです。
お話ししながら、納得していただいたうえで決めていきます。
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施術中にお願いしたいのは、力を抜いていただくことです
よりストレッチを効果的に受けていただくのに必要なことは、
できるだけ力を抜いた状態で受けていただくこと。
さきほどの力みの話です。
脱力していただけるほど、同じ強さでも深く伸ばせます。
そのために、2つお願いしています。
どちらも、力を抜いていただくための手段です。
① 息を吐く
痛みを感じたときに、ゆっくり息を吐いてみてください。
それだけで、感じ方がかなり変わります。
とくに、伸ばされるタイミングで息を吐くと、身体に力が入りにくくなります。
伸ばしはじめに合わせて吐く、と覚えておいてください。
反対に、息を止めて我慢すると、身体は余計に力みます。
そのうえ、我慢していることが外から見えにくくなります。
こちらも気づきにくくなるので、呼吸を止めるのだけは避けていただきたいです。
② 強いと感じたら、その場で言う
遠慮しなくて大丈夫です。
強すぎると感じたら、その場でおっしゃってください。
あとから「実はつらかった」とお聞きするより、その場で調整できた方が、
ずっと良い結果になります。
「痛いのが苦手です」と最初に教えていただけるのも助かります。
そこから組み立てられます。
翌日に、痛みが残ることはあるのか
揉み返しは、あまり出ないと思います
揉み返しというのは、強く押されたところにピンポイントで出る痛みです。
「ここを押された」と場所が分かるような痛み方をします。
当スタジオにお越しの方から、揉み返しが出たという声は、ほとんど聞きません。
(指圧系の施術とは異なり、ピンポイントに筋肉を強く押すようなストレッチは
あまりないからだと思いますが)
ただし、筋肉痛のような痛みが出ることはあります
これは揉み返しとは別のものです。
揉み返しが一点に出るのに対して、筋肉痛はその筋肉全体に、じんわりと出ます。
理由は、筋肉から見ると運動に近いことをしているからです。
普段使っていない筋肉、伸ばしていない筋肉を伸ばすと、
筋肉にとっては軽い運動をしたのと同じような状態になります。
ですので、運動の習慣があまりない方や、ストレッチをほとんどされない方は、
硬かった場所に筋肉痛のような痛みが出ることがあります。
普段動かせていなかった場所が動いた反応ですので、
心配な種類の痛みではないと思います。
数日で落ち着くことが多いです。
ただ、しびれや強い痛みがある場合、また数日たっても引かない場合は、
医療機関を受診してください。

まとめ
今回のポイントです。
パーソナルストレッチは、多少の痛みを伴う
柔軟性を上げるには、筋肉に多少のストレスが必要。痛みをまったく感じない強さでは、痛みの境目(閾値)は動かない
ただし、受け手の身体に力が入ると、伸ばした分が打ち消されて効果は半減する
目指しているのは、力を抜いた状態で、少し痛いくらいの強度
力が抜けているかどうかは、押し返し・ビクッとする反応で見ている
強さは、同じ日のセットごとに少しずつ上げていく
ちょうどいい強さは人によっても部位によっても違うので、お話ししながら調整する
痛いか痛くないかを、我慢して測っていただく必要はありません。
そこを見るのが、私の仕事だと思っています。
まずは無理のない範囲でセルフケアから始めてみてください。
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