top of page

登山で膝が痛くなる本当の原因|「膝を鍛える」より先にやることがあります

6 日前
読了時間: 13分
下山中に膝を押さえる登山者。下りは膝に負担がかかりやすい
上りは順調、下りで膝が痛くなってしまう人、いませんか?

はじめまして。「好きなことを続ける身体ラボ」を運営しているゆかりです。

登山やバレーボールなど、好きなことを長く楽しむためには、

身体のメンテナンスが欠かせません。


このブログでは、ストレッチトレーナーとしての知識と、私自身の体験をもとに、

動きやすい身体づくりのヒントを発信しています。


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。実際に使って良かったものだけを紹介しています。

本日のお題:登山で膝が痛くなる本当の原因


登りは平気だったのに、下り始めたら膝が痛くなってきた。

下山した翌日、階段を降りるのがつらい。


そんな経験はありませんか?

膝が痛いと、つい「膝が弱いのかな」「歳のせいかな」と考えてしまいます。


でも私がスタジオで多くの方の身体に触れてきて感じるのは、膝そのものより、

その上下にある股関節と足首に原因があることの方が圧倒的に多いということです。


この記事では、下りで膝が痛くなる仕組みを解剖学から解説したうえで、

ご自宅でできる対策と、山の中でできる工夫までお伝えします。


こんなお悩みありませんか?


  • 下りで膝の外側・前側が痛くなる

  • 登山の後、階段を降りるのがつらい

  • サポーターをつけても改善しない

  • 膝が痛いのは筋力不足だと思っている


1つでも当てはまる方は、最後まで読んでみてください。


実際にあった、あるお客様のケース


もともと身体が硬く、ストレッチに通ってくださっている方がいます。

登山歴は10年ほど。その方が最近、山を登った後に膝の痛みを感じるようになりました。

右膝の内側の下あたりに少し膨らみがあり、病院で診てもらったところ

水が溜まっていると言われたそうです。


普段は痛くないが、登山中や下山後に痛みがあり、

左右の脚を見比べると太さがはっきり違っていました。

ここ1年ほどで体重の増加もあり、筋力トレーニングはあまりされていません。


こう聞くと「膝そのものが悪いのかな」と思ってしまいます。

でも、この方の身体に触れてわかったのは、まったく別のことでした。

その答えは記事の後半でお伝えします。

まずは、下りの膝に何が起きているのかから見ていきましょう。



そもそも、下りの膝には何が起きているのか


対策の話に入る前に、少しだけ身体の仕組みに触れさせてください。

ここを知っておくと、なぜ「膝だけをケアしても変わらないのか」が腑に落ちます。


登りより下りで膝が痛くなるのは、下りの一歩ごとに、太ももの前の筋肉がブレーキを

かけ続けているからです。

この筋肉を大腿四頭筋(だいたいしとうきん)といいます。

太ももの前面にある大きな筋肉で、膝を伸ばす働きをしています。

下りでは、着地のたびに身体が落ちようとするのを、この筋肉が支えて止めています。

下りの一歩では、膝に体重の3〜4倍の負荷がかかると言われています。


ここで大事なのが、筋肉の力の出し方には2種類あるということです。


  • 縮みながら力を出す(例:椅子から立ち上がるとき、太ももの前)

  • 伸ばされながら力を出す(例:椅子にゆっくり座っていくとき、太ももの前)


後者をエキセントリック収縮(伸張性収縮)と呼びます。

ブレーキをかける動きが、まさにこれです。

そして、伸ばされながら力を出す方が、筋肉にとっては負担が大きいとされています。

下山で太ももが張る、翌日に強い筋肉痛が出る、というのはこのためです。

下りは、ずっとこの状態が続いているわけです。


つまり下りの膝は、太ももの前がブレーキをかけ続けて疲れていく状態にあります。



では、なぜ人によって膝の負担が大きくなるのか


原因① 足首が硬いと、膝が代わりに働く


まず足首です。

下りで着地したとき、本来は足首がしなやかに曲がって衝撃を受け止めます

ところが足首が硬いと、この吸収がうまくいきません。

足首まわりで硬くなりやすいのは、


  • 腓腹筋(ひふくきん):ふくらはぎの表面にある、いわゆる「ふくらはぎ」の筋肉

  • 前脛骨筋(ぜんけいこつきん):すねの前側にある、足首を持ち上げる筋肉


の2つです。実際に施術で触ってみると、膝が痛いという方はこの2つがかなり硬くなっていることが多いです。

足首が十分に曲がらないと、着地の衝撃を逃がすために膝が前に出ます。

その分、太ももの前の筋肉が余計に働くことになり、膝の前側に負担が集中します。

膝が痛いのに、原因が足首にあるというのは、こういう仕組みです。



原因② 股関節が使えないと、膝が代わりに働く


そしてもうひとつが股関節です。個人的には、こちらの方が根が深いと感じています。

膝が痛いという方の身体を触ると、股関節まわりで次の場所が硬くなっていることがよくあります。


  • 深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん):お尻の奥にある、股関節を安定させる

    筋肉のグループ

  • 大腿四頭筋:太ももの前。ブレーキ役の本人

  • 内転筋群(ないてんきんぐん):内もも


特にお尻の奥が硬い方は多く、あぐらがかけないほど股関節が硬くなっている方もいらっしゃいます。


「前ももが硬い」から始まる悪循環


ここで、私が現場でよく見かける流れをお伝えします。


  1. 太ももの前(大腿四頭筋)が硬くなる

  2. 硬い前ももに骨盤が引っ張られ、股関節が本来の範囲で動かせなくなる

  3. 歩くときに股関節で衝撃を受け止められず、膝が代わりに働く

  4. 太ももの前がさらに疲れ、うまく使えない状態が続く

  5. 使えない筋肉はだんだん筋力が落ちていく

  6. 支える力が落ちるので、膝への負担がますます増える


つまり、前ももが硬いことが、めぐりめぐって前ももの筋力低下を招くのです。

「膝を鍛えましょう」と言われて筋トレから入る方は多いのですが、

硬さを残したまま鍛えても、この悪循環からは抜け出しにくいというのが実感です。

順番としては、まず硬さをとって股関節が使える状態にしてから、鍛える

これが遠回りに見えて近道です。


なお、着地のたびに膝が内側に入る(ニーイン)、歩幅が大きすぎる、といった歩き方のクセも膝の負担になります。

ただ歩き方は意識だけでは変えにくく、足首と股関節が動くようになって初めて変えられる部分でもあります。だからこそ、硬さをとることが先なのです。


股関節の硬さそのものについては、あぐら・開脚がつらい股関節の詰まり|正しいストレッチで解消でくわしく書いています。



よくある勘違い


ここまで読んでいただいた方に、特にお伝えしたいことが2つあります。


勘違い① サポーターやサポートタイツをつければ解決する


膝が痛くなると、サポーターやサポートタイツで対処する方がとても多いです。

これは使うこと自体が悪いわけではありません

ただ、知っておいていただきたいのは、

サポーターやサポートタイツは、筋肉の代わりをしてくれるものだということです。


あくまで筋力のサポートであって、根本的な解決ではありません。本来であれば、

筋力そのものを高めていかないと、本当の意味での改善にはなりにくいのです。

「サポーターをしているのに良くならない」という方は、

実は当然のことが起きているだけ、とも言えます。


サポーターは山での安心材料として使いつつ、家では別のアプローチをしていく。

この両輪で考えてみてください。


勘違い② 下りはゆっくり歩けばいい


これはあまり語られていないことなので、ぜひ知っておいてほしいのですが――


ゆっくり歩けば歩くほど、ブレーキ役である大腿四頭筋を使う時間が長くなります。


前半でお話しした通り、下りの太ももの前は「伸ばされながら力を出す」状態が

続いています。ゆっくり降りるということは、

その負担の時間を引き延ばしているということでもあるのです。

結果として筋疲労が溜まりやすく、かえって膝を痛めやすくなることがあります。


だからといって、速ければいいわけでもありません。速すぎれば一歩の衝撃が大きくなり、膝がブレやすくなります。


大事なのは、自分のペースで歩くことです。速すぎず、遅すぎず。

自分がいちばん安定して歩けるリズムを知っておくことが、結果的に膝を守ります。


💡 自分の身体のどこが原因かを知りたい方へ 初めての方限定・体験ストレッチ60分¥3,980(西川口駅西口 徒歩1分) ▶ ご予約はこちら

自宅でできる対策


ここからは、家でできることをお伝えします。

硬さをとる3つと、鍛える1つです。


① お尻の奥をゆるめる



椅子に座り、片方の脚をもう片方の膝の上に組みます。

そこから上体を前に倒していきます。

ポイントは2つです。


  • 背中(腰)を丸めないこと

  • 骨盤から前に倒すこと。上半身を一枚の板のようにイメージして、そのまま前に倒します(深く倒さなくてもOKです)


背中を丸めてしまうと、お尻の奥まで伸びが届きません。

股関節から折りたたむ」感覚で前にたおしましょう。

組んだ脚のお尻の奥に伸びを感じられたら正解です。


② 太ももの前を伸ばす



うつ伏せになって膝を曲げ、足首を手でつかみます。

この時腰がそれないように気をつけましょう。

この姿勢だと腰が痛くなる場合は、横向きに寝て、上になっている脚の足首を手でつかみ、

かかとをお尻に近づけるやり方に変えてみてください。

こちらの方が腰への負担が少なく、続けやすいと思います。


③ 足首まわりをゆるめる



ふくらはぎ(腓腹筋)は、壁に手をついて片脚を後ろに引き、かかとをしっかり床につけたまま、かかとから肩までが一直線になるように身体を前に倒します。

かかとが浮いてしまうと伸びないので、そこだけ気をつけてください。


一方、すねの前(前脛骨筋)は、自分でストレッチするのが難しい場所です。

お客様には、フォームローラーでの筋膜リリースをおすすめしています。


私自身が使っているのは、トリガーポイントのグリッドフォームローラーです。

表面に凹凸があるタイプで、手でほぐしにくい場所にも体重をかけて当てられるので、

太ももの前やすねのケアがぐっとラクになります。

(アウトドアショップのエルブレスなどでも扱っています)



④ 椅子スクワットで、支える力をつける



硬さがとれてきたら、鍛える段階です。おすすめは椅子を使ったスクワット

自重で十分です。


  • 椅子の前に立ち、3〜4秒かけてゆっくりお尻を下ろしていきます

  • 椅子に触れる手前で1秒止めます

  • 3〜4秒かけて、膝が軽く曲がったところまで戻ります

  • 回数の目安は、最初は10回×2セット。慣れてきたら15〜20回×3セット


両手を前に伸ばすことで、バランスがとりやすくなります。


とにかくゆっくり、そして使っている筋肉を意識して行いましょう。

素早く動かすと、筋肉を痛めたり怪我につながったりしやすくなります。

特に運動に慣れていない方は要注意です。


このゆっくり下ろす動きは、下山でブレーキをかけている動きとまったく同じです。

山で使う動きを、家で安全に練習していると考えてください。


最後にひとつだけ。硬いところや痛いところを強く揉むのは避けてください

強く揉むと筋肉に微細な損傷が起きて炎症につながることがあると言われていて、

かえって硬くなってしまうこともあります。


「気持ちいい」と「効いている」は別物です。

強く揉むより、じんわり伸ばす方が確実です。



山でできる工夫|ポールは「下り」だけじゃもったいない


家でのケアに加えて、山の中でできる工夫もお伝えします。

トレッキングポールの使い方です。



登りでも使ってみてください


ポールは下りだけ使う、という方もいますが、登りでも使うと脚の疲労を軽減できます


理由はシンプルで、腕の力を使って、脚の負担を軽減できるからです。

登りで脚を温存できれば、その分、下りでブレーキをかける余力が残ります。

下りの膝痛対策は、実は登りから始まっているのです。

(※滑落・転倒の防止など、別の理由で下りだけ使う方もいます。

ここでお伝えしているのは、あくまで「膝が痛くなる方」に向けた提案です)



長さは「平地で肘90度」を基準に、登りと下りで変える

トレッキングポールの長さの目安。平地で肘が90度になる長さ(身長×0.68)を基準に、登りは5cm短く、下りは5〜10cm長くする

そして意外と知られていないのが、登りと下りで長さを変えるということ。

基準は、平地で肘が90度です。

ポールの長さの目安は、身長×0.68。身長160cmなら約109cmです。

登りは、それよりも5cmほど短めに。


  • 長すぎると、上半身(腕)の力をポールにうまく伝えられません

  • 短すぎると、必要以上に前のめりになって姿勢が崩れます


下りは、基準より5〜10cmほど長めに。

登りは突く位置が自分より高くなり、下りは低くなるからです。

なお、ポールは身体の近くに突くのが基本です。

足と並行か、やや前くらい。

遠くに突いてしまうと、腕の力が地面に伝わらないうえ、転倒のリスクも上がります


面倒に感じるかもしれませんが、登り始めと下り始めに一度ずつ調整するだけです。

この一手間で、脚の残り方がずいぶん変わります。


ちなみに私が使っているのは、シナノのフォールダー TWIST 110です。

折りたたみ式で持ち運びやすく、長さもしっかり調整できます。



登る前の準備については、登山前にストレッチは必要?「やるかどうか」より「何をやるか」で差がつくも参考にしてみてください。



あの方の身体に、何が起きていたのか


記事のはじめにご紹介した、あの方の話に戻ります。

身体に触れてみると、股関節がとても硬く、あぐらがかけないほどでした。

足首も同じくらい硬い。

つまり、足首と股関節の動きを、膝がずっと肩代わりしてきた状態だったと考えられます。


膝そのものだけを見ていたら、この背景には気づけません。

「膝が痛い」という訴えの下には、たいていその上下の関節の物語があります。


私自身も、下りで膝に違和感が出ることがあります。ただそれは普段からではなく

大腿四頭筋をうまく使えていないときや、自分のペースではないスピードで歩いているとき――特に、ゆっくりした下山のときです。

前半でお話しした「ゆっくり歩くほどブレーキ筋を使う」を、身をもって感じる瞬間です。


また私の場合、膝が曲がった状態で足が横にブレたときに痛みが出やすいです。

膝が内側に入りやすいクセがあるので、その分、内側に負担がかかっているのだと思います。


膝が痛くなる背景は、その人の身体と歩き方の中にあります。

自分に合わせたケアをすることも大切です。

下山後のケアについては、登山後に私が必ずやる5つのことにまとめています。



まとめ


今回のポイントをまとめます。


原因

  1. 足首が硬いと、着地の衝撃を吸収できず膝が代わりに働く

  2. 股関節が使えないと、膝が代わりに働く。しかも前ももの硬さが筋力低下を招く悪循環になる


対策

  1. お尻の奥・太ももの前・足首の硬さをとってから、椅子スクワットで支える力をつける

  2. ポールは登りから使い、肘90度を基準に登り下りで長さを変える


そして、下りはゆっくり歩けばいいわけではありません

自分のペースで歩けることが、いちばんの膝の守り方です。


まずは無理のない範囲で、セルフケアから始めてみてください。



LINE相談・ご予約はこちら


こんなお悩みはありませんか?

  • 股関節が詰まる

  • 登山後に疲れが残る

  • 身体が硬くなった

  • バレーボールで肩や膝が気になる


セルフケアはとても大切ですが、自分の身体のクセは自分では見つけにくいものです。

「どこが硬いのか」

「なぜそこが硬くなるのか」

がわかると、ケアの効率は大きく変わります。


西川口 Viva La Salute! ストレッチングでは、一人ひとりの身体の状態に合わせたサポートを行っています。お気軽にLINEからご相談ください。


▶ 初めての方限定|体験ストレッチ 60分 ¥3,980

  • 西川口駅 西口 徒歩1分(※東口ではありません)

  • 営業時間:月によって営業日と営業時間が異なります。

         詳細は毎月の営業カレンダーをご覧ください。



「まずは話を聞いてみたい」でも大丈夫です。

お気軽にどうぞ。

コメント


お問い合わせ

西川口 Viva La Salute!ストレッチング

埼玉県川口市西川口1-5-20 メビウス4階

​​​

info@vivalasalutestreching.com

アクセス:JR京浜東北線 西川口駅 西口より徒歩1分

メッセージが送信されました。

© 2026 by Viva La Salute!ストレッチング このサイトは Wix を使って作成・保護されています

bottom of page