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【前編】レシーブで作る姿勢が、スパイクの邪魔をしている?|バレーの肩の痛みを考える

10月15日
読了時間: 9分

更新日:5 日前

はじめまして。

「好きなことを続ける身体ラボ」を運営しているゆかりです。


登山やバレーボールなど、好きなことを長く楽しむためには、

身体のメンテナンスが欠かせません。

このブログでは、ストレッチトレーナーとしての知識と、私自身の体験をもとに、

動きやすい身体づくりのヒントを発信しています。



レシーブの姿勢、試合中ずっと続いていませんか


私は9人制のママさんバレーで、基本的にレシーバーをしています。


レシーブの姿勢は、教わったとおりに作っているつもりです。

肘を絞って、腕の内側の平らな面を向けて、背中を丸めて肩甲骨を離す。


あるとき、ふと思いました。

この姿勢、サーブやスパイクのときの肩の動きと、真逆ではないか。


先にお断りしておくと、これは私の仮説です。

研究で確かめられた話ではありません。


この記事では、レシーブの姿勢で肩に何が起きているのかと、

ゲームの中で肩を戻すことについてお伝えします。

日頃のケアとトレーニングの話は、後編で書きます。



こんなお悩みありませんか?


  • スパイクを打つときに肩が痛む

  • サーブのときだけ痛い

  • 整形外科では「異常なし」と言われた

  • ストレッチをすると楽になるが、またすぐ戻る


1つでも当てはまる方は、最後まで読んでみてください。



そもそも、腕を上げるとき肩で何が起きているか


肩の奥には、インナーマッスルと呼ばれる小さな筋肉のまとまりがあります。

回旋筋腱板(かいせんきんけんばん/ローテーターカフ)と呼ばれるものです。


この筋肉の仕事は、腕を大きく動かすことではありません。

上腕の骨の先端を、肩の受け皿の中心に引きつけて留めておくことです。

求心位保持(きゅうしんいほじ)と呼ばれています。


骨の先端が中心に保たれていると、腕は無理なく上がります。

逆にここが弱くなると、骨の先端が上の方へずれていくとされています。


すると、肩の上にある骨との隙間が狭くなります。

狭いところを通ろうとするので、あいだにある組織が挟まれて痛む。

これが肩峰下(けんぽうか)インピンジメントと呼ばれる状態です。


もうひとつ、大事なことがあります。


腕を上げるとき、肩甲骨も一緒に動いています。

上腕が2度動くあいだに肩甲骨が1度回る、という比率で説明されることが多いです。


この肩甲骨の回転を作っているのが、

前鋸筋(ぜんきょきん/脇の下からあばらにかけての筋肉)と、

僧帽筋の下の方の繊維です。


つまり腕を上げる動作は、肩だけの仕事ではありません。

肩甲骨が一緒に回ってくれて、はじめて無理なく上がります。



レシーブは、肩甲骨を外に出し続ける姿勢です


私が教わったレシーブは、こんな姿勢です。


  • 親指の先の位置を合わせる

  • 手首を少し下に下げる

  • 肘を絞って、前腕の内側の平らな面をボールに向ける

  • 腰を落とす

バレーボールのレシーブの構え。低く構えて肘を絞り、背中を丸めてボールを受けているところ

※写真はビーチバレーですが、レシーブの基本の姿勢は同じです


これは、きれいな面を作るために必要な姿勢です。

そこを否定するつもりはまったくありません。


ただ、身体の側から見ると、こうなっています。


背中を丸めるので、背骨の上の方が丸くなります。

肩甲骨を離すので、肩甲骨は外側へ開いた位置になります。


背中が丸い姿勢では、腕を上げ始めるときに肩甲骨が前に傾いた位置にある、

という報告があります。

肩甲骨が後ろに倒れる量と、背中の丸さには関係があるという研究もあります。


そして、ここが大きいと思っています。


レシーブの姿勢は、ボールが来た一瞬だけではありません。


私はラリーの合間も、いつでもレシーブできるように、

中腰で背中を丸めたまま動いています。

つまりこの姿勢が、ゲーム中のふだんの状態になっています。



サーブの前に、私が必ずやっていること


ここからは、私が毎回やっていることです。


サーブを打つときは、肩を後ろから前へ動かす必要があります。

レシーブとは逆方向の動きです。


サーブを打つ前に、私は必ず両手とも、肩を前から後ろに大きく回します。


なぜかというと、回さないで打つとミスが多いからです。

回してから打つと、いい感じに打てる。

これは間違いありません。


毎回やっているので、自分の中では確かめられたことです。


ただ、正直にお伝えしておきます。


これをやらなかったらどうなるのかは、分かりません。

毎回やってしまうので、試したことがないのです。

肩の痛みが防げるかどうかも、私には言えません。


言えるのは、レシーブの姿勢のままでは、サーブの動きが出にくいということだけです。


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では、スパイクはどうなのか


ここからは仮説です。


私はレシーバーなので、スパイクはほとんど打ちません。

ですので、これは自分の身体で確かめたことではありません。


スパイクの指導では、「肘を後ろにしっかり引いたところから、

ボールを捉えにいく」という言い方をされます。


肘を後ろに引いて、そこから肩の付け根でぐるっと大きく腕を振り抜く。

サーブよりも大きく、強い動きになります。


肘を引いた状態は、肩が大きく開いた状態です。

そこから一気に逆方向へ返していることになります。

この繰り返しで、上腕の骨の先端が前に出てきて、

まわりの組織とぶつかることがあるとされています。


痛みのあるアタッカーを調べた研究では、打つ側の肩が下がり、

肩甲骨が外側にずれていて、背中と肩の後ろ下側が短くなっていたと報告されています。


女子大学生を対象にした調査では、

スパイカーの60%が肩の痛みを訴えたという結果もあります。


この「肩甲骨が外側にずれている」という状態は、

レシーブで作る姿勢とよく似ています。


6人制はローテーションがあるので、

レシーブとスパイクを交互に行うことが多いと思います。

9人制ではスパイカーがあまりレシーブをしないこともありますが、

それでも大体は両方の姿勢を取らざるを得ません。


バレーボールは、真逆の要求を同じ試合の中で繰り返している競技だと思っています。


サーブの前に肩を回さないと打てない私の感覚を、

そのまま当てはめていいのかは分かりません。

でも、考えてみる価値はあるのではないでしょうか。



よくある勘違い|「硬いから痛む」とは限りません


ここで、ひとつお伝えしておきたいことがあります。


施術をしていて感じるのは、バレーボールをやっている方は、肩まわりが柔らかい方が多いということです。


ですので「硬いから痛む」という単純な話ではないと思っています。


柔らかいのに痛むのだとしたら、足りないのは伸びではありません。

骨の先端を中心に留めておく力と、肩甲骨を回す動きの方です。


この「自分では伸ばせない身体の奥の筋肉」については、こちらで書いています。



このあたりは後編で詳しくお伝えします。



その痛み、スポーツ障害とは限りません


ママさんバレーの年代だと、もうひとつ考えておきたいことがあります。


四十肩・五十肩です。

医学的には肩関節周囲炎(けんかんせつしゅういえん)と呼ばれ、

四十肩と五十肩は発症した年齢で呼び分けているだけで、同じものとされています。


これとインピンジメントには、見分けの目安があります。


  • インピンジメント … 痛いけれど動く。特定の角度で引っかかる

  • 四十肩・五十肩 … 全方向に動きにくい。腕を下げたまま外に回す動きも制限される


ただ、目安はあくまで目安です。


正直にお伝えすると、私自身もよく分かっていません。


もともとインピンジメントがあると言われていて、そこにバレーボールを始めました。

ですので、バレーで痛み始めたのか、年齢によるものなのか、

自分では判断がついていません。


痛いときと痛くないときがあるので四十肩ではないのかもしれませんし、

左右が別々の時期に痛くなったので、やはりそうなのかもしれない。

その程度です。


専門家が検査をして判断することなので、自分で見分けるのは難しいと思っています。


そして、ここが大事なところです。


四十肩・五十肩は、炎症が強い時期に無理に動かすと、

かえって悪化することがあるとされています。

痛みが強いうちのストレッチは控えるように、という注意もあります。


つまり、何の痛みか分からないまま自己流で伸ばすのは、

場合によっては逆効果になります。


痛みが1週間以上続く場合、夜も痛む場合、腕が上がらない、力が入らない場合は、

まず整形外科で診てもらってください。

腱板が切れていることもありますし、首が原因のこともあります。



現場でよく見るケース


肩を痛めたという話を聞くのは、基本的にスパイカーの方が多いです。


ただ、痛む場面は人それぞれです。

スパイクを打つときに痛いという方もいれば、サーブのときに痛いという方もいます。

同じ「肩が痛い」でも、中身は違うのだと思います。


肩甲骨まわりについては、

スパイクを打つ側が少しこわばっているように感じた記憶があります。

ただ、はっきり覚えているわけではないので、そういう印象があった、

という程度に受け取ってください。


左右差については、よく聞かれます。


利き手がある以上、左右差は誰にでも出ます。

左右差のまったくない方に、私は出会ったことがありません。

これはバレーボールに限った話ではなく、どなたでもそうです。


ですので、左右差があること自体を怖がらなくて大丈夫だと思っています。



まとめ


今回のポイントをまとめます。


  • レシーブは、背中を丸めて肩甲骨を外に出す姿勢。しかもラリーの合間もその姿勢で待っている

  • サーブは逆方向の動きを要求する。私は回してから打たないとミスが増える

  • スパイカーの肩甲骨が外側にずれているという報告があり、レシーブの姿勢と似ている

  • 柔らかい方でも痛むのは、足りないのが伸びではないから

  • その痛みが四十肩かどうかは、自分では見分けにくい。分からないまま伸ばすのは逆効果のことがある


ゲームの中で肩を戻す場面を作る。

私の場合は、サーブの前に肩を回すことがそれにあたっています。


まずは無理のない範囲でセルフケアから始めてみてください。



日頃のケアと、何を鍛えるとよいのかという話です。



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