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【山小屋で眠れない③】前日だけ早く寝ても眠れません|動かすのは「起きる時間」です

10月9日
読了時間: 10分

更新日:6 日前

はじめまして。

「好きなことを続ける身体ラボ」を運営しているゆかりです。


登山やバレーボールなど、好きなことを長く楽しむためには、

身体のメンテナンスが欠かせません。

このブログでは、ストレッチトレーナーとしての知識と、私自身の体験をもとに、

動きやすい身体づくりのヒントを発信しています。


この記事は「山小屋で眠れない」シリーズの第3回、最終回です。 第1回は身体の痛み、

第2回は呼吸の話でした。


本日のお題:前日だけ早く寝ようとして、うまくいったことがありますか


山小屋の消灯は、だいたい20時や21時です。


普段その時間に寝ている方は、ほとんどいないと思います。

私も23時から24時の間に寝ることが多いです。


「山に行く前日は早く寝よう」と思って布団に入ったのに、ぜんぜん眠れなかった。

そんな経験はありませんか。


これは意志の問題ではありません。

身体の仕組みとして、そうなるようにできています。


この記事では、なぜ前日だけではうまくいかないのかと、

数日前から何をしておくかをお伝えします。

今回は山に着く前の話です。



こんなお悩みありませんか?


  • 山小屋の消灯が早すぎて、目が冴えたまま横になっている

  • 前日、早く寝ようとしたのに眠れなかった

  • 仕事の都合で、そもそも早く寝ることができない

  • 寝不足のまま登ることになって、体調不良や思うように身体が動かないことがある


1つでも当てはまる方は、最後まで読んでみてください。



20時に眠れないのは、あなたのせいではありません


私たちの身体には、体内時計があります。

睡眠の世界ではサーカディアンリズムと呼ばれています。


この体内時計が、眠くなる時間と目が覚める時間をだいたい決めています。

意志や気合いで動かせるものではありません。


普段23時に寝ている人の身体は、23時ごろに眠る準備を始めます。

20時の時点では、まだ起きている時間なのです。


その状態で「今日は早いから寝よう」と横になっても、身体の方が準備できていません。

目が冴えるのは当然のことです。


山小屋の消灯時間が早いのは、翌朝の出発が早いからです。

山の都合としては正しい。

でも、登る人の身体の時計とは、はじめからずれています。



1日だけ変えようとしても、うまくいきません


私自身、普段起きている時間に寝ようとしても、なかなか眠れません。


お客様や山仲間から話を聞いていても、同じように感じます。


私が学んでいるオルソスリープアカデミーでも、

リズムを1日だけ変えることは推奨していません。


このアカデミーが扱っているのは、

イギリスのニック・リトルヘイルズ氏が提唱したR90というメソッドです。


R90は、1日24時間を90分ごとのサイクルに区切って考えるメソッドです。

1日は16サイクルになります。

睡眠と活動を、その区切りの中でとらえていきます。


そして睡眠は、週に35サイクルを目安にします。

1日あたりで数えるのではなく、週単位で見ていくのが特徴です。

(1日5サイクルを睡眠に充てるのが理想といえば理想です)


1日だけ帳尻を合わせる、という発想がそもそもないのです。



寝不足は、翌日の身体に出ます


睡眠の話は、翌日の身体のコンディションに直結します。


山仲間から聞いた話で、印象に残っているものがあります。


普段2時ごろに寝ている方が、山に行くために20時ごろ寝ようとして、

結局眠れなかったそうです。

そして翌日、思ったように身体が動かなかったとのことでした。


4時間も前倒ししようとすれば、眠れないのが自然です。


寝不足のときに何が出るかは、人によって違います。

だるさとして出る方もいますし、人によっては足が攣ることもあります。


攣る原因というと塩分やミネラルの話になりがちですが、

前日の睡眠も関係していると私は考えています。




動かすのは「寝る時間」ではなく「起きる時間」です


ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。


就寝時刻は、意志では早められません


早く寝ようと思っても、身体が準備できていなければ眠れません。

これは先ほどお話ししたとおりです。


それに現実的な問題もあります。

仕事の都合で、どうしても寝る時間を早められない日があります。


私の場合も、遅い時間にご予約が入れば帰宅が遅くなりますし、

夜にバレーボールの練習がある日も遅くなります。


寝る時間を早めるのは、自分の意志だけではどうにもならないのです。


一方で、起きる時間は動かせます


早く寝られなくても、早く起きることはできます。

目覚ましをかければいいだけです。


そして朝早く起きれば、その日の夜は自然と早く眠くなります。


つまり、起きる時間を動かせば、寝る時間は後からついてきます。

順番が逆なのです。


これは私の思いつきではありません。

R90でも、起床時刻を決めることが、自分の裁量でできるいちばん強力な方法だとされています。

就寝時刻の方は柔軟に考えて、起床時刻から逆算して決めていきます。


起きる時間を、少しずつ早めていく


登山の前日だけ早く眠りにつく、早く起きる、ができれば理想ですが、

前述の通りできないことの方が多いと思います。

そこでお勧めなのは、登山の日の起床時間に向けて、

数日から1週間ほどかけて、起きる時間を少しずつ早めていきます。

一気にずらそうとはしません。


おすすめしたいのは、1日15分から30分ずつという細かい単位です。

小さく動かすほど、身体への負担が少なくて済みます。


私自身は30分から1時間単位で動かすことが多いです。

ただこれは、普段から同じ時間に寝起きしているからできることだと思っています。

はじめての方は、小刻みの方が無理がありません。


細かく動かしていくと、夜の眠気も少しずつ前にずれてきます。

そうやってリズムを整えてから山に向かいます。


就寝時刻の方を直接早めたい場合も、15分から30分ずつがよいと思います。


90分のサイクルで逆算すると、目標が決めやすくなります


R90では1日を90分ごとに区切って考えるので、

眠る時間もその区切りで見ていけます。


たとえば山で4時に起きるなら、そこから90分ずつさかのぼってみてください。


  • 20時30分に眠りに入れば、7時間30分で5サイクル

  • 22時に眠りに入れば、6時間で4サイクル


消灯が20時でも、20時30分に眠りに入れればいいと考えられます。

横になってすぐ眠れなくても、焦らなくて済みます。


山での起床時刻から90分ずつさかのぼって、眠りに入りたい時刻を決める考え方を示した図

夜のルーティンも、まるごと前倒しする


寝る時間を早めるときは、その前にやっていることも一緒に前倒しします。


私は就寝時刻から逆算して、お風呂は何時間前、食事は何時間前、と決めています。

寝る時間だけ早めても、その直前まで普段どおりの過ごし方をしていたら、

身体は切り替わりません。


カフェインは14時まで


私は毎日、14時以降はカフェインを取らないようにしています。


以前は、夜にカフェインを取っても眠れると思っていました。

でも午後のカフェインをやめてみたときに、眠りの質が違うとはっきり感じたのです。

それからできるだけ14時以降にカフェインの摂取は避けています。


理屈もあります。

カフェインは半減期が5時間前後と言われていて、個人差はありますが、

5時間たってもまだ半分は身体に残っています。

そこからさらに半分になるまで、もう5時間かかります。


就寝時点で一定量が残っていると、眠りの質が下がるとされています。


私は24時に寝るので、14時なら10時間あります。

4分の1くらいまで落ちている計算です。

少し余裕を見た時間設定です。



山では、できることと できないことがあります


リズムを整えて山に着いたら、今度はそれを崩さないようにしたいところです。


ただ、山小屋とテントでは、できることがかなり違います。


山小屋は、周りへの配慮が先にきます


山小屋では、ハーブティーを飲みたくてもお湯がないことが多いです。


アロマスプレーも、周りの方が不快に感じることがあります。

個室や、周りが知り合いの場合には、一声かけて使用します。

眠りを誘うアロマスプレーを使用しているので、周りの人にも良い影響がありますが、

香りは好みが別れるところなので、狭い空間で大勢が眠る場合、

香りは慎重になった方がいいと思います。


そこで私が山小屋で必ずやっているのは、周りに迷惑がかかりにくいことだけです。


  • 寝る前にストレッチをする

  • スマホをできるだけ使わない

  • 耳栓を必ずつける


この3つは、ほぼ毎回やっています。


テントなら、いつもの流れを再現できます


テント泊なら自分でお湯を沸かせるので、ハーブティーも飲めますし、アロマスプレーも使えます。


ハーブティーを飲んだ日は、朝起きたときのスッキリ感が違います。

夜中に目が覚めることもない、あるいはいつもより少ない気がします。


私にとっては効果が大きいので、テント泊ではできるだけ飲むようにしています。



私の場合


最後に、私自身のリズムをお伝えしておきます。


普段は24時までに寝て、6時に起きています。


個人事業主なので、特定の曜日が休みということがありません。

毎日少なからず仕事をしていて、まるまる1日休むのは山に登る日くらいです。


だからこそ、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを意識しています。


山小屋やテントでも、何日か前から調整するので、

20時や21時に眠りにつけることが多いです。

山の日はいつもより早く起きていますし、運動量も多いので、

身体が眠る準備をしてくれているのだと思います。


ただ、寝る環境はいつもと違います。

寝付きに時間がかかることもあります。


毎回よく眠れるかというとそうではありませんし、毎回寝付きが悪いかというと、そうでもありません。



まとめ


今回のポイントをまとめます。


  • 体内時計(サーカディアンリズム)が眠くなる時間を決めているので、20時に眠れないのは自然なこと

  • 前日だけ変えてもうまくいかない。 R90は1日を90分ごとのサイクルで考え、睡眠は週単位で見るメソッド。1日で帳尻を合わせる発想がない

  • 寝不足は翌日の身体に出る。だるさのこともあれば、人によっては足が攣ることもある

  • 就寝時刻は意志で早められないが、起床時刻は動かせる

  • 朝早く起きれば、夜は自然と眠くなる。順番が逆


やってみていただきたいのは、この4つです。


  1. 登山の数日前から、起きる時間を1日10〜30分ずつ早める

  2. 山での起床時刻から90分単位で逆算して、眠りに入りたい時刻を決めておく

  3. お風呂や食事など、夜のルーティンごと前倒しする

  4. カフェインは就寝の時刻から逆算して、早めに切り上げる


山で眠れるかどうかは、山に着く前から始まっています。


まずは無理のない範囲でセルフケアから始めてみてください。




3回にわたってお伝えしてきました。

痛み、呼吸、そして時間。

眠れない夜の原因はひとつではありませんが、どれも身体の側から手を入れられます。


次に山へ行く夜が、少しでも眠りやすくなればうれしいです。



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