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【山小屋で眠れない①】身体が痛くて眠れない|硬い布団で何度も寝返りを打つ理由

10月3日
読了時間: 9分

更新日:1 日前

はじめまして。

「好きなことを続ける身体ラボ」を運営しているゆかりです。


登山やバレーボールなど、好きなことを長く楽しむためには、

身体のメンテナンスが欠かせません。

このブログでは、ストレッチトレーナーとしての知識と、私自身の体験をもとに、

動きやすい身体づくりのヒントを発信しています。


この記事は「山小屋で眠れない」シリーズの第1回です。 

眠れない原因はひとつではないので、回を分けてお伝えしていきます。


本日のお題:硬い布団で何度も寝返りを打ってしまうのはなぜ?


正直に書いてしまうと、私は山小屋でもテントでも、熟睡できないことも多いです。

ストレッチトレーナーで、睡眠の資格も持っているのに、です。


その中でもとくに眠れなかったのが、

至仏山(しぶつさん)に登りに行ったときの山小屋でした。


布団が硬くて身体のあちこちが痛くなり、

ひと晩じゅう何度も寝返りを打つことになりました。


山小屋の布団やテントの地面は、自分では選べません。

でも、その上に横になる身体の方は、少しだけ変えられます。


この記事では、硬い寝床でなぜ身体が痛くなるのかを身体の仕組みからお話しします。

そのうえで、寝る前にできることをお伝えします。



こんなお悩みありませんか?


  • 山小屋の布団が硬くて、身体が痛くて眠れない

  • 何度も寝返りを打ってしまって、落ち着く姿勢が見つからない

  • テントで地面の凸凹が気になって寝付けない

  • 耳栓もアイマスクも用意したのに、やっぱり眠れない


1つでも当てはまる方は、最後まで読んでみてください。



至仏山の山小屋で、ほとんど眠れなかった話


その日は、尾瀬の木道を2時間半ほど歩いて山小屋に入りました。

至仏山に登るのは翌日の予定でした。


尾瀬ヶ原の木道を、ワタスゲの咲く湿原の中を歩く登山者
尾瀬の木道

山小屋で眠れない原因としてよく挙がるのは、隣の方のいびきや人の気配です。

この日に限っては、個室だったのでその条件がありませんでした。


それでも眠れませんでした。

布団が硬くて、身体のどこかが必ず痛いのです。


仰向けになっても、横を向いても、落ち着く姿勢が見つかりませんでした。

だから何度も寝返りを打っていました。


翌日は登山口まで木道を1時間半歩いてから、至仏山に取りつきました。

急登もあって、きついにはきつかったです。


尾瀬ヶ原の草原ごしに見える至仏山
尾瀬の木道から見えた至仏山。反対側には燧ヶ岳も見えました

ただ、それが寝不足のせいだったのかは、正直なところ分かりません。

木道を1時間半歩いた疲労が出ただけかもしれません。

寝不足と言い切れるほどでもなく、かといって十分なコンディションでもなかった、

という感じでした。


ではなぜ、環境が静かだったのに眠れなかったのでしょうか。



硬い寝床では、当たるところと浮くところが分かれます


対策の話に入る前に、少しだけ身体の仕組みに触れさせてください。

ここが分かると、後半のストレッチの意味が変わってきます。


やわらかい寝具は、身体が沈むことで接地する面積が広くなります。

身体の凹凸に合わせて隙間が埋まるので、体重が広い面に分散されます。


硬い寝床では、これが起こりません。

当たるところと浮くところが、はっきり分かれてしまいます。


当たるところには、体重が集中します。

お尻、肩、背中など、骨が出ている部分です。


そして浮いたところは、支えのないまま筋肉が姿勢を保ち続けることになります。


だから、寝返りを打っても別の場所が痛くなります


ここが「何度も寝返りを打つ」ことに繋がります。


仰向けで痛くなったので横を向く。

すると今度は、下側になった肩や腰に体重が集まります。


姿勢を変えると、当たる場所と浮く場所の組み合わせが入れ替わるだけなのです。

どの姿勢でも、どこかに痛い場所ができてしまいます。


硬い寝床で寝返りが増えるのは、落ち着く姿勢を探し続けているからだと考えられます。


登山をした日は、腰が浮きやすくなります


もう一つ、登山をした日ならではの事情があります。


浮きやすい場所の代表が腰です。

もも前の表面にあるのが大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、

その奥で背骨と骨盤から太ももの骨につながっているのが腸腰筋(ちょうようきん)です。


この2つが硬くなると、骨盤が前に引っ張られて前に傾きます。

骨盤が前に傾くと、腰椎(ようつい/腰の背骨)の反りが強くなります。


この姿勢で仰向けに寝ると、腰が反ったまま浮いてしまいます。

やわらかい布団なら身体が沈んで隙間が埋まりますが、硬い布団では埋まりません。


そして登山では、登りで脚を持ち上げる主役が腸腰筋、下りで着地の衝撃を受け止めるのがもも前の大腿四頭筋です。


つまり山を登って下りた日は、

骨盤を前に引っ張る筋肉を一日中使い続けていることになります。


歩き疲れた日の夜に限って腰が気になる、というのは不思議なことではないのです。




よくある勘違い|耳栓とマットは「外側」の対策です


山小屋やテントで眠れないときの対策として、よく挙がるものがあります。


耳栓、アイマスク、厚めのスリーピングマット、壁際の寝床を確保する。

どれも効果のある、正しい対策です。

私自身、耳栓は持っていきます。


ただ、これらはすべて外側の環境を整える対策です。


寝具の記事を読むと「身体に合うマットレスに替えましょう」「トッパーを敷きましょう」と書かれています。

家ならその通りだと思います。


でも山小屋では、布団を選べません。

テントでも、軽量化と寝心地のどちらかを諦めることになります。

外側を変えられる範囲には、限りがあるのです。


一方で、身体の側は変えられます。

もも前がゆるんでいれば、腰の浮き方は変わってきます。


山仲間の話で印象に残っているものがあります。

テント泊で荷物を軽くするために薄手のスリーピングマットを使っていた方が、

地面の凸凹をもろに感じてあまり眠れなかったと話していました。


同じマットで眠れる方もいます。

寝床の硬さがそのまま痛みになるかどうかは、身体の側の状態にもよるのだと思います。



寝る前に、下半身を一通りゆるめておく


ここからは、私が実際に山で寝る前にやっていることをお伝えします。


伸ばすのは、もも前を中心に下半身を一通り


伸ばすのは、もも前、もも裏、内もも、ふくらはぎ、お尻、それと余裕があれば脛です。


歩いた日に力みが残りやすい場所が、そのまま並んでいます。

登りで押し上げに使うふくらはぎとお尻、下りで着地を受け止めるもも前と内もも、

という具合です。


なかでももも前は、先ほどお話しした腰の浮きに直結します。

ここをゆるめておくと、骨盤が前に引っ張られる力が少し減ります。


もも前は、横向きに寝たままでも伸ばせます。

上になっている脚の足首を手でつかんで、かかとをお尻に近づけてみてください。


このとき腰が反らないように、お腹に軽く力を入れたままおこないます。

30秒を目安に、左右おこなってください。


うつ伏せでも同じ場所を伸ばせますが、うつ伏せは腰が反りやすい姿勢です。

腰が気になる日は、横向きの方が安心だと思います。


脛は見落とされがちですが、

前脛骨筋(ぜんけいこつきん/すねの前側の筋肉)はつま先を上げ続ける仕事をしています。

下りの長い日は、ここも張ってきます。


場所は、布団の上か、小屋の広いところです。

人の邪魔にならないところを選んでいます。


寝袋やお布団に入る前に済ませる


ここが大事なところです。


テント泊だと、寝袋の中でストレッチをしたくなります。

ただ、寝袋の中で音を立てずに伸ばすのは、かなり難しいと思っています。

動くだけで、生地のガサガサという音が必ず出るからです。

まだ人が動いている時間ならOKですが、消灯のテントが増えてくる時間だと、

周りの方への配慮も必要です。


寝袋の中でできることを挙げるとすれば、

仰向けで膝を折りたたんでもも前を伸ばすこと、それと足首を回すことくらいです。


それ以外は、寝袋に入る前に済ませてしまう方がおすすめです。

その方が全体的にしっかり伸ばせます。



やらない方がいいこと|お酒を飲んだ後に、長く強く伸ばすこと


最後に1つだけ、おすすめしないことをお伝えします。

お酒を飲んだ後に、長めにストレッチをしたり、強めに伸ばしたりすることです。


山小屋での一杯を楽しみにしている方は多いと思います。

それを我慢しましょうという話ではありません。


ただ、ストレッチをするなら飲む前に済ませておく方がよいと思います。

身体の感覚が変わっている状態で強く伸ばすのは、避けた方が無難です。



まとめ


今回のポイントをまとめます。


  • 硬い寝床では、当たるところと浮くところがはっきり分かれる

  • 姿勢を変えてもその組み合わせが入れ替わるだけなので、どの姿勢でも痛い場所ができる

  • だから硬い布団では寝返りが増える

  • 登って下りた日は、骨盤を前に引っ張るもも前と腸腰筋を一日中使っている

  • そのため登山の日の夜は、仰向けで腰が浮きやすい


寝る前にできることは、この3つです。


  1. もも前を中心に、下半身を一通り伸ばす

  2. 寝袋やお布団に入る前に済ませる

  3. お酒を飲んだ後に、長く強く伸ばさない


まずは無理のない範囲でセルフケアから始めてみてください。



次回は、痛みがないのに寝付けないときの話をお伝えします。

歩き疲れているはずなのに眠れない夜には、呼吸が関係しているかもしれません。



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